出刃包丁の購入におすすめの包丁ブランド3選
食材や果物を切るのに欠かせない包丁ですが、切るものに合わせて種類があるのをご存じでしょうか。中でも、出刃包丁は刃が分厚く頑丈で、魚の三枚おろしや分厚い肉を切るのに適した包丁のことをいいます。今回はそんな出刃包丁購入の際におすすめしたいブランドを3つ紹介します。
YOSHIKIN(吉田金属工業)
社名:吉田金属工業 株式会社
住所:〒959-0221 新潟県燕市吉田西太田2078-3
TEL:0256-92-4191
まず初めに紹介するのはYOSHIKIN(吉田金属工業)です。このブランドにはどのような特徴があるのでしょうか。おすすめの包丁も合わせて紹介します。
YOSHIKINとは
1954年に新潟県燕・三条地区で創業しました。以来「質の高い製品をお客さんもとにお届けしたい」という強い想いと試行錯誤を重ねて追及し続けたステンレス加工技術は現在のYOSHIKINの技術の礎となっています。また、当時よく使用されていたとされる和包丁は、切れ味抜群ではありましたが、一方で錆やすく、定期的に手入れする必要がありました。
また、柄は木でできているため水がしみこむと場合によっては朽ちてしまうこともあり、定期的な交換を必要とする側面もありました。このような包丁特有のデメリットを改善し、より使い勝手のよい包丁をお客さんに届けたいという想いの強かったYOSHIKINの創業者・渡邊は、手入れがしやすく錆びにくいというステンレスの特性に着目しました。そして思考錯誤の末1960年に鋼に勝るとも劣らない切れ味抜群の包丁“文明包丁”を生み出します。これがYOSHIKINの後のオールステンレスの出刃包丁へと進化します。
おすすめの出刃包丁を紹介
YOSHIKINにおけるステンレス加工技術の追及、その一つの到達点でもあるYOSHIKINの代表商品なのがGLOBAL(グローバル)です。
GLOBALは刀身から柄までオールステンレス一体構造の包丁として1983年に誕生しました。発売当初こそ、その目新しさゆえか国内ではなかなか受け入れられませんでした。しかし今では世界中に認められるまでになり、旧通商産業省からは1990年にグッドデザイン賞を受賞しています。
下村工業
社名:下村工業株式会社
住所:〒955-0033 新潟県三条市西大崎1-16-2
TEL:(0256)38-3311
次に紹介するのは下村工業です。先ほどと比較してどのような違いがみられるのでしょうか。おすすめの包丁とともに順を追ってみていきます。
下村工業とは
三条刃物鍛冶として1874年の創業から続く、下村工業のものづくりは“新たなことへの挑戦”の信念のもと、刃物製造から製品開発を広げる樹脂成形への“進化”と刃物鍛冶の技から高精度な機械加工への“深化”を続け家庭用包丁からプロ用包丁、各種調理品、産業用刃物の分野へ展開しました。
包丁に焦点を当てると、1874年の創業当初から続く刃物製造は下村工業の原点となります。鎌などの農具にはじまり、そして1957年の当時ステンレス包丁の新分野にいち早く参入しました。さまざまな製品をこれからも、日々の暮らしにあわせた使い手に寄り添うものづくりを続けていきます。
おすすめの出刃包丁を紹介
ここでは下村工業代表商品の1つである村斗(むらと)を紹介します。下村工業が刃物作りのなかで大切にしているのは切れ味と使いやすさです。この村斗は燕三条の職人の手仕事による鋭い切れ味と使いやすさを追及したシリーズとなっています。研ぎやすい三層鋼の芯材には本職の料理人にも愛用されているVG10を仕様。
高硬度のステンレス刃物鋼に切れ味の持続性を高めるモリブデンとバナジウム、コバルトが添加されています。また、筋のある肉や大きな野菜、固い食材も刀身の重量感で切り込みが軽くなるよう重量と重心のバランスを最適化しています。このように使い手のことを第一に考えた包丁となっています。
實光刃物
社名: 株式会社實光
住所: 590-0931 大阪府堺市堺区錦之町西1-1-9
TEL:072-229-2244
最後に紹介するのは實光刃物です。ここでは上記2つのブランドと比較してどのような違いがあるのでしょうか。包丁と合わせて詳しく見ていきます。
實光刃物とは
1901年の創業以来、100年以上包丁を作り続けています。本店は大阪・堺にあり堺刃物として国から伝統工芸品の指定を受けている、世界に誇る日本の品となっています。
しかし、刃物・包丁の産地を聞かれて大阪・堺を思い出す方は少ないかもしれません。実際国内の家庭用包丁シェア率をみると大阪は7%ほどとなっています。一方、プロ用包丁シェア率で見ると一変し80%となります。このように大阪・堺の包丁は、和食料理人の8割に選ばれる包丁となっているのです。
堺がこのようにプロから絶大な信頼を得ている理由は江戸時代まで遡ります。堺ではもともとタバコ葉を刻むためにタバコ包丁を製造している会社でした。その切れ味の鋭さからたちまち評判となり、一時は幕府専売品となったほど。こうして堺刃物の評判は全国へと名を轟かせます。そして明治になりタバコ包丁が必要とされなくなってからはその高い技術は料理包丁へと受け継がれていき、現在の堺刃物へとつながっていくのです。
おすすめの出刃包丁を紹介
切れ味を追及するなら和包丁。和包丁なら鋼が基本です。鋼はステンレスと比較して研ぎやすく、最高の切れ味を維持しやすいというメリットがある反面錆びやすいというデメリットも。一本で色々切れる便利さを求めるなら洋包丁。洋包丁ならステンレスが基本で、錆びにくく、取り扱いが楽です。そしてもう1つ、第三の選択肢として實光がオリジナルで開発した万能片刃包丁があります。今回はこれを紹介しましょう。
これは和包丁の構造と高い切れ味を持ちながら洋包丁と同じく1本で色々な食材を切ることを想定して作られた万能包丁となっています。色々な食材が切りやすい長さと幅でありながら洋包丁と比べ、背が厚くて刃先が薄いので食材の切離れがよく食材の形を綺麗に切りやすいのが特徴です。とくに肉や魚を調理する方のおすすめとなっています。
まとめ
今回は出刃包丁を購入する際におすすめの包丁ブランドを3つ紹介していきました。どのブランドにも包丁製造における長い歴史とともに積み上げてきた信頼と実績得た商品ばかりで、どの包丁にしようかかえって迷ってしまった方も多いのではないのでしょうか。自身の用途に合わせて最適な包丁を探してみてください。各ブランドの特徴並びにおすすめの商品も紹介しているので、出刃包丁購入の際はぜひ今回の記事を参考にしてください。